ご無沙汰しております。
実は私、ここ数年?くらいずっと自分の使い方にフィットするブラウザを探し続けてまして。
話題になっているブラウザを渡り歩き続け、最近は何だかんだの Microsoft Edge に落ち着いていたわけなんですが、そんな中 Tech 界隈で Arc なるブラウザが話題という話を耳にし、1-2週間くらい試していました。
結論から申し上げますと、「Windows 版がまだまだ発展途上なので普段使いするにはちょっと厳しい」という感想なのですが、もし細かい機能や気になった点にご興味がありましたら、この続きも読んでいただければ。
ついでとばかりに転々としてきたいくつかのブラウザの話も入れてみましたが、結構な文量になってしまったので興味ない方は目次からすっ飛ばしてください。
逆に、「Edgeとか情弱~Chromeしか勝たん!」と盲信的に Chrome だけを使ってる方にはぜひ読んでいってもらえればと思います。世界を見る目が変わるかも。
おことわりですが、私の作業環境である Windows を前提とした記述なので、 Mac や Linux ユーザにとっては有意な情報になっておりませんのでご容赦ください。
私のブラウザ遍歴
簡単に私がどんなブラウザを使ってきたかをまとめてみます。もしかしたらこれを読んでいる皆さんにとって新たなブラウザとの新たな出会いになるかもしれません。
Chrome については書きません。みんな知ってるでしょ。
Brave
仮想通貨に興味を持ってた頃(といってもお金ぶっこんだりしていたわけではなく、技術を調べたり実際にブロックチェーンを組んで遊んだりしてた時)に知ったブラウザです。
最大の特徴はブラウザ独自の広告が時々流れてきて、これを受け取ると仮想通貨がもらえるというもの。Windows だと標準の通知と同じような感じで右下に広告がポコッと出てきて、クリックした / しない にかかわらず少量の仮想通貨がもらえます。
…ほんとうに少量です。どのくらいかというと、私が去年のある 1 ヵ月の実績として、もらった額はポテトフライがギリギリ買えるか買えないかってくらいですね。
また、プライバシー保護をアピールポイントとして掲げており、その機能の一つとして広告ブロッカーが標準搭載されているのも特徴。全画面覆ったりするような悪質な広告は軒並み弾いてくれるのでブラウジングがめちゃめちゃ快適になります。
パフォーマンスも、広告が無くなっているからか、最近使ってきたブラウザの中でもかなり軽量の部類に入るものですね。
ちなみにブラウザ独自の広告については、ユーザ追跡のようなことはしないと謡っています。
Opera GX
太古の昔から存在していた Opera ブラウザのゲーミング用ブラウザです。
古参ならおなじみのスピードダイヤル、みんな大好きダークモードの搭載、カスタムテーマの自由度やサウンドテーマなど、見た目に派手な機能も満載なブラウザですが、個人的にはサイドバーと GX Control が特にゲーム向きで良いな~って思ってます。
一般的なブラウザのサイドバーは、垂直タブだったりブックマークだったりを開くところになるのですが、様々なサービスと統合されており、ブラウジング中にサイドバーからそれらのサービスを簡単に開くことができます。
たとえば調べもの中に音楽をかけたくなったらサイドバーから Spotify で音楽を流したり、Twitter*1を眺めたり、Discordのメッセージを開いたり。いちいちタブを切り替えなくてもアクセスできるのが本当に便利です。
GX Control はゲーミング向けの機能で、ブラウザが使用するリソースを制限することができます。これによって、ゲームと同時起動したりするときにゲームの邪魔をしないようになります。また、Opera GX 自身も広告ブロッカーを搭載しているので、ブラウジングは比較的快適……
とは思うのですが、この GX Control が強く効きすぎているのか、あるいは派手な UI で余計なリソースを使っていることがあるからなのか、動きがもっさりする時が割とあるな~というのが個人的に感じた欠点でしょうか。
余談ですが、公式キャラクターの GX Aura ちゃんがかわいい。動画配信サイトで VTuber みたなことやってます。
Microsoft Edge
かつては俺様を使わないと後悔するぞと言わんばかりに半ば強引な押し売りをし続けた結果、みんなから嫌われ者になってしまい、巷では 「 Chrome をインストールするためのブラウザ」とまで貶されている Edge 君ですが、最近使ってみると Windows と統合されたブラウザならではの安定性と軽量さを兼ね備えている非常に優秀なブラウザとなっているなと感じました。
かつて独自のブラウザエンジンを積んでいた頃は軽量でこそあったものの Chrome ほど機能が追いついておらず、人によっては本当に選択肢にならないよわよわブラウザでしたが、 Google に魂を売って Chromium の力を纏うようになったことで、機能面は Chrome と遜色ない形となりました。
機能としても、Opera GX と同じようなサイドバー機能、1画面内でページを2つ表示できるスプリットビュー、そして垂直タブなど、 Chrome と同じくらい高機能になっており、 Windows と深く統合されているが故の安定性・軽量さも兼ね備えています。2024年5月現在は間違いなく最適解の一つになりうるブラウザだと自信をもって言えます。 Edgeちゃん…成長したねえ…
あっ、でも検索エンジンはおとなしく Google にしましょう。 Bing 検索はまだまだ全然よわよわです。
独自の チャット AI との統合もとても良く、無料で GPT-4 レベルの チャット AI を利用した Webページや動画の内容要約ができたりします。私はよく長尺動画の要約を Bing AI に頼んでます。
欠点らしい欠点を挙げるとするなら、競合先のサービスとの統合についてはどうしても弱いです。GMail や Google カレンダーなど、 Google のサービスと一緒に使おうとすると不便さを感じるかもしれません。
特に、YouTube に関しては Edge で視聴すると目に見えて重くなります。これも統合の弱さが理由なのか、 わざと Edge では重くさせるという Google の陰謀か…()
Arc なる新鋭ブラウザの特徴
ここ最近、 いくつかのテックブログでこのブラウザを取り上げた記事が話題になっており、試しにと思って使ってみたのですが、今までのブラウザとタブの概念が根本から変わっています。正確に伝えるのが難しいのですが、やはり一言でまとめると、他のテックブログの話と同じく「タブがブックマークになる」という表現になると思います。
私の理解でいえば、Arc にはブックマークという概念が存在しません。
代わりに、タブを以下のカテゴリに分け、今までのブックマークっぽい使い方ができる、というのが Arc です。
- Favorite
- よく使うページをアイコンの形にして置いておけるタブです。
- Pinned tab
- ピン止めしたうえでフォルダ分けをして管理できるタブです。他のブラウザのブックマークに一番近いのがここになります。
- Today Tab
- 調べものなどでググったり、他のタブから新しく別のページを開いた時のタブです。
- ここに配置されたタブは 12 時間後に自動的に閉じられます。この機能のおかげで余計なタブが増殖することがなくすっきりとしたタブ使いができるようになります。
これらのタブは、 Arc のサイドバーに、最近流行りの垂直タブの形で 3 段に分けて表示されます。
この尖った特徴ゆえ、最初は本当に使い方に戸惑うんですけど、3日も使ってみるとだんだんと馴染んできます。この体験は一度試してみてほしい…!
ブラウジング体験にかかわる独自の機能が様々搭載されていて、後述する欠点が無ければUXはかなり良いな~と感じます。
Arc を使い続けられなかった理由
特徴や使い方が手になじんて来て、使いこなしかけていたブラウザを手放し Edge に帰ろうかと考えている理由は、端的に言ってしまえば Arc がまだ新興だからという一言に尽きるかもしれません。
もともと Arc は、 Mac 版でのみ開発されていたブラウザであり、最近になって Windows 版のリリースがされたばかりのもので、テックブログ系で良く取り上げられている機能が使えないことが多いです。
特に残念だったのは SplitView 機能で、いくつかのブログではタブをドラッグアンドドロップで2画面分割ができるらしいのですが、私の使う Windows 版ではできませんでした。
また、Arc はまだ日本語非対応です。
特に英語アレルギーがあるわけでもなければ、英語が読めないわけではないので、 UI が英語であるだけであれば全く構わず使うのですが、問題は日本語入力絡みのバグがまだまだ残っている点がどうしても気になってしまいます。 検索ボックスに日本語入力して、そのまま Enter を押しただけでは検索できないとか。
他にも Edge や Chrome とのショートカットキーの機能の違いですとか、パフォーマンスですとか、色々あるのですが、ひっくるめるとやっぱり Arc がまだ出来立てで、便利な機能もあればまだまだ手の行き届いていない不具合も多いから、という感じです。
まとめ
ということで色々惜しいところが多く今すぐ使うにはちょっと厳しいな、という形でいったん Arc を手放して今の住まいである Edge に戻ろうとしているわけですけど、 Arc の革新的なタブ機能は手になじむと確かに便利で、無限に増殖し続けるタブに悩まされてきた人には特におすすめなブラウザだと思います。
新興ゆえの不具合の多さは、今後改善する可能性も大いにあるものでもあるので、個人的には今後の展望もウォッチしつつ、頃合いを見てまた使ってみたいな。
何年か先、またArcを使ってみた記事を書くのかもしれませんね。