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匿名で推しの個人Vにファンレターを届けることはできる?

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背景:n*****************mさんによる写真ACからの写真

一昨年の暮れぐらいに、IRIAMライバーにファンレターを書いた話をこのブログに書いたのですが、事務所所属でなく個人として活動しているVTuberにファンレターを贈る方法ってないものかといろいろ調べたことがありまして、定期的に忘れることがあるので備忘録がてら表題に書いた話を記事としてここに残しておこうと思います。

 

法律の話も少し絡んできますが、私は法については調べて学んだ程度の知識しかなく、誤っているところがあるかもしれません。その際はご遠慮なくご指摘ください。

 

先に結論めいたものをここに書いておきますが、以下条件すべてを揃えた上でファンレターを贈る方法は現状ありません*1

  • 送り主、送り先の双方とも匿名(お互いがお互いの住所・氏名を知らずに届ける)
  • 直筆の手書き文字を、物理媒体で送り先へ届ける
  • 法律の遵守

ちなみに世の中に存在する匿名配送サービスを利用してファンレターを贈ることは法律に抵触する可能性があります。これについても、本記事にて説明します。

 

 

 

匿名配送サービスでファンレターを贈れないワケ

今ではなくなってしまいましたがメルアド宅配便や、BoothであればあんしんBOOTHパック、最近ではPreboという匿名配送ボックス的なサービスもあるようですが、これらのサービスを利用して手紙を送ると法律違反となる可能性があります。

その理由は、郵便法第4条に示されております。

第四条(事業の独占) 会社以外の者は、何人も、郵便の業務を業とし、また、会社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならない。ただし、会社が、契約により会社のため郵便の業務の一部を委託することを妨げない。 

(2) 会社(契約により会社から郵便の業務の一部の委託を受けた者を含む。)以外の者は、何人も、他人の信書(特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書をいう。以下同じ。)の送達を業としてはならない。二以上の人又は法人に雇用され、これらの人又は法人の信書の送達を継続して行う者は、他人の信書の送達を業とする者とみなす。

 ここでいう「会社」とは、同じく郵便法第2条に示されている郵便業務を実施できる業者、つまりは日本郵便です。

また、同じく郵便法第4条第2項では、信書という概念を用いて、郵便以外の方法で手紙に該当しうる文書を送ることを禁止しています。

信書というのは、「誰かに、書いた人の意思または出来事を伝えたりする文書」です。*2例えば、

  • ラブレター(受取人に「お前のことが好きだったんだよ!」って意思を伝える)
  • 魔女宅でキキが最後に書いてるっぽいやつ(父母に「私もジジもとても元気です」という事実を伝える

世間一般に「手紙」と称されるものはだいたい引っかかりますね。

つまりここで言っているのは、郵便以外の手段を用いて手紙の配送を行ってはならないということが記載されています。

宅配便等のサービスは郵便ではないため、宅配便で手紙を送ることはできない、というわけですね。

 

合法的にファンレターを送る

前章をふまえて、ここからは法律に抵触しない形でファンレターを送る方法を書いていきます。

 

私書箱を設置してもらう

私が知る限りでは唯一、双方匿名の文書を、郵便法に抵触しない形で、手元にある紙で書いた文書を相手に送ることができる手段です。

eポストの転送受取等である程度離れた場所の私書箱から転送してもらうような形をとれば、受け取る人の住所もわからなくなるでしょう。送り主は送り先を私書箱の住所、送り主を同上とでもすれば、送り主も匿名化できると思います。

 

問題になるのはコストで、ファンレターがひっきりなしに来るほど有名になった人でない限り、月々1,500円*3というコストは割高かと思います。

ただし、私書箱によっては宅配便受取もできるものがあるので、手紙だけでなく差し入れも受け取りたい場合、メルカリ等のフリマアプリ用の住所も兼ねて利用したい場合などでは、有用な選択肢になるかもしれません。

とはいえ推しに安くはないお金を負担させる方法になってしまうので、ファンレターを送りたいからといって私書箱の設置を要求するのはやめてあげてくださいね。

 

郵便局留め

受取人を郵便局留めとして手紙を送る方法で、一応はこれも、双方匿名で文書を送れる手段ですが、完全な匿名化ではありません

近くの郵便局留めにすると数キロ圏内レベルで地域バレしてしまいますし、遠くの郵便局にすると受け取りに行くのが大変になります。

そもそも偽名・匿名・ハンドルネームでの郵便局留め郵便の受け取りができるかどうかが微妙です。ネットで調べてみると受け取れたという情報があるようですが、局員の判断によるところが大きく、あまりこういう文化に理解のない郵便局だと受け取れない可能性が高いです。差出人不明になっていると尚更…。

 

正直、私書箱以上におすすめできない方法だと思います。

 

手紙をスキャンし、ネットプリントの印刷番号を教える

直筆を送るというのを諦めるのであれば、ネットプリントを活用することで手紙を送ることが可能です。

やり方は非常に簡単で、手紙を自宅のスキャナまたはコンビニのコピー機でスキャンし、取り込んだ画像をネットプリントサービスにアップロードして印刷番号をTwitterのDM等で伝えるのみです。受取人は近くのコンビニ等で手紙を印刷するだけ。かかる料金も1枚60円とかです。

 

手紙のコピーにはなってしまうものの、推しのためだけに自筆したものを、推しだけに送ることができる現実的な手段ではないかなと思います。

それに、この方法を用いると世界で2通しかない手紙を、自身と推しの間だけで共有することにもなります。書き上げた手紙を自分で読み返しながら、「これと同じものを推しも読んでるんだよな…」なんて思いを巡らせてみるのも、エモみがあってよくないです?

 

さいごに

というわけで、直筆の手紙を双方匿名を維持して送ることは法の問題もあってやや難しいかも、というのは個人的見解です。

もし「こういう手段だったら……」というのがあればぜひ教えてください。

本記事が個人で推しにファンレターを送りたい誰かの参考になれば幸いです。

*1:あるにはありますが、個人としては現実的ではありません

*2:信書についてはより詳しいガイドライン総務省のホームページで確認できますので、詳しく知りたい方はそちらを見てみてください。

*3:eポストの私書箱の年単位契約をした場合の月額料金